2016年 08月 28日
大畠谷 |
3連続台風により目標の遡行が延期になったので,目的地を変えて白山の北の端、大笠山の大畠谷に行ってきました.
20m滝の上から.右岸のスラブを登ってきた.
何とかリッジの木に辿り着いて一安心.僕も怖かったけどフォローしてきたケンジリさんも相当怖かったらしい.
これで核心は終了.後は穏やかな河原と小さな滝の連続で源頭部へ
水流が消えてからは雪国特有の猛烈な藪漕ぎになり、ボルダラーにはなかなか辛い局面になった.
8/22
夕方出で富山へ. 鈍行で大体5時間とかだったけど,この日乗り継いだ電車のうち3本がそれぞれ別々の原因で遅延するという不運で,オーブさんと合流したのは23:30とか.
桂湖の近くの道の駅で雑魚寝.
8/23
4時起きで桂湖へ.
減水したダム湖から川に降りていざ大畠谷に入る.
しばらく歩きやすい河原と小さな淵が続いた後,いよいよ30m二段の滝に到着.
一般的には右岸を二段まとめて高巻くみたいだけど,何となく正面突破できそうな雰囲気だったのでトライすることに.
右岸側のスラブから取り付き真ん中のレッジを滝の裏を通ってトラバース.
最期のマントルがいやらしかったけど問題なく左岸側のテラスに抜けた.
ここからの10m弱はペロンとした滝右のスラブ. 傾斜は無いけど弱点が不明瞭.
一応ロープは付けたけどプロテクションは取れないので当然怖い.
想定していたラインはホールドが乏しかったけど,直登ラインが意外と簡単で途中でそっちにシフト.
ホールドがボロボロなので何回かヒヤッとする場面があったけど何とか滝の上に抜けた.
お次は二段目の10m.
左岸の垂壁が弱点に見えたので最初にオーブさんがトライ.
これが意外と悪いらしく.プロテクションを取る前に落ちて滝壺へフォール.
次は僕がトライ.普通のフリーの感覚でトライしたら出だしで滑ってあえなくフォール.
気を取り直してもう一回.今度は滑らず問題の中間部移行へ.
入り込もうと思っていたコーナーにホールドが全くなかったので急遽右上するクラックにライン変更.
クラックは途中で終わっていたけど,沢登りらしからぬムーブの連続でなんとか抜けた.
普通にフリーで登っても変化に富んだ良いルートだと思う.
その後はしばらく河原が続き、3段15mが出てきたとこで後半戦突入.
基本的にムーブは簡単なのでフリーでガンガン突破.できるかと思いきや次の8mCSが悪そうなので無難に左岸スラブを巻く.
スラブがこれまた意外と悪くて,最後の2歩で苦戦しているところで上から降りてきたオーブさんのロープ掴んで抜けた.
その後の連瀑帯も快適に抜けて,7mCSも意外とホールドが多かったため正面突破.
次の2段40mは流石に厳しそうなので左岸のスラブに逃げた.最上部に滝上に通じるレッジがあったため下降とかはせず,フリーで突破.
その後はボルダー帯になって13:00頃に二股に到着.
周囲の樹林帯がいきなりなくなり150mのスラブ地帯がお出迎え.遠近感が狂っているのかわりと小さく見える.
タープを張り,薪を集めたとこで右俣の偵察に向かう.
いきなり狭いゴルジュになり2段8m滝,空身なのをいいことにボルダームーブでガンガン突破.
続く10mチムニー滝は流石にボルダーじゃ突破出来ないし,その上の滝がどうやら不可能系らしいので、左岸のスラブに1ピッチ分ロープを伸ばしてこの日は終了.
日地没後に雨がパラついてきたのでタープの下に避難したらそのまま寝てしまった.
8/24
鈍行の終電は金沢駅19:00とかなので4:00起きで早めに行動開始.5:30出発.
昨日のフィックスまで行ってユマール.登攀自体は簡単なのでユマールを確保器にしてフリーで登った.
一般的には上のブッシュまで行ってトラバースするらしいけど,岩壁上部のゴルジュが気になるので1ピッチ登ったとこからトラバース.
しばらく簡単な狭いゴルジュが続いたのち最後の20m滝に出た.これまた難しい系.
滝のすぐ右岸の溝状スラブがホールドがあっていけそうだけど,傾斜が強いのとボロボロゾーンがあるのでやめといた.
右岸側のスラブを巻くことに.
とりあえず直登自体は簡単.浮石が多いけど落とさないように注意すれば問題なし.
ただ右岸リッジへのトラバースが悪い.何が悪いって岩が悪い.ボロボロ.
ここまでのスラブは浮石は多いけど岩自体はしかっりしてた.でもどう言うわけかこのトラバース部分は浮石が無いかわり,ホールドが全部浮いている.
傾斜が少し強くなってムーブが悪くなると共に,一つのホールドに掛けなきゃいけない負荷が強くなってくるので余計に危ない.
慎重に欠けにくそうなホールドとムーブを選びつつ進んだけど,何回かどうしても一つのフットホールドに頼らないといけない場面があって気が気じゃなかった.
いつものクライミングなら必死にホールドを掴んではいずり上がってっく場面だけど、今回はそれが出来ない.常に岩から拒絶され地に足付かない感じだった.
草は抜けるし、笹は滑る、木は邪魔,そして暑い.
大笠山と奈良岳を結ぶ尾根上の登山道に出た時には全員頭から湯気が立ち上っていた.この時点で10:30とか.
登山道に出たから安心かと思いきや、荒れ放題の登山道でひたすら歩きずらい.笹の藪漕ぎにつかれたところでやっと大笠山との分岐に到着.この時点で12:00くらい.
ここからの登山道は歩きやすくガンガン下れた.途中雨が降ったりもしたけど順調に下って14:30にはダム湖に到着.
ただ水平距離で6km、標高差1200mの下りは,これまたボルダラーと化した体には辛く,降りてくるころには足がプルプルしていた.
荷物を整理して金沢駅に16:30頃到着.鈍行でのんびり帰ってきました.
目標の沢には行けなかったけど,スリリングな登攀が連続して楽しかったな.
折角の沢登りなので前情報にとらわれず自由な発想で登りたいと強く感じた遡行でした.
京都も夜が涼しくなってきて少しづつシーズンが近づいてきているのを感じます.
目標の沢はまた来年かなー
by sarutheomon
| 2016-08-28 18:37
| 沢